2021.10.15
治療期間短縮に積極的に取り組んでいます
みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 総院長の林一夫です。
治療期間はできるだけ短くしたい…。矯正治療をお考えのほとんどの方はそう考えます。
当クリニックでは患者さまのQOLを重視し、矯正期間を短縮するためのいくつかの方法を導入しておりますので、今回こちらでご説明いたします。
矯正治療が期間を要する理由
矯正治療は1週間や1ヶ月で終わるものではありません。その理由を以下にまとめました。
歯が動くのは「ちょっとずつ」だから
矯正治療はワイヤーなどで歯に力をかけて動かし、歯並びを改善していきます。
目に見える「歯」の部分のみでなく「歯の根っこ(歯根)」ごと、ほんの少しずつずらしていきます。
症状が重いほど治療期間が長期化する
例えばお口の中が小さくて歯を並べる面積が足りない時はどうしても抜歯をすることが多いです。
その場合は抜歯した跡が塞がってから矯正治療を再開して、など、重症度が高いほど様々なステップを踏むことになり、その分期間がかかります。
治療期間が短縮される3Dデジタル矯正
当クリニックで導入している3Dデジタル矯正は、コンピューターで治療前から治療後までの動きをシミュレーションして治療計画を立て、それをもとにコンピューターが作成するワイヤーで治療をします。
従来のアナログな矯正治療に比べ精度が高く無駄がないので、効率よく治療が進んでいき、その結果治療期間を短くすることができています。
比較的軽度な症例であれば6ヶ月で治療を終えるケースも少なくありません。
でも、前述したように重症度の高い症例ではどうしても一定の治療期間がかかってしまいます。
高周波の振動で治療を加速させる装置
そこで、当クリニックでは高周波の振動を口腔内に当てることで、治療期間を短縮することが可能な装置での治療のオプションもございます。
高周波の振動で歯の移動が早くなって治療期間が短縮され、さらに歯が移動するときに発生する痛みも緩和されます。
こちらの装置については、治療の際にスタッフまでお問い合わせください!
参考文献/サイト
高周波振動は歯科矯正での効果が数多く研究されています。
1)こちらの論文では、高周波振動で歯が速く動く可能性が示唆されています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212443818301644
Alansari S, et al., The effects of brief daily vibration on clear aligner orthodontic treatment, J World Fed Ortho 2018.
https://journals.plos.org/plosone/article/figure?id=10.1371/journal.pone.0196540.g003
Alikhani M, Alansari S, Hamidaddin MA, Sangsuwon C, Alyami B, et al. Vibration paradox in orthodontics: Anabolic and catabolic effects. PLoS ONE 2018. 13(5):e0196540.
2)こちらの論文では、高周波振動での治療期間短縮の可能性が示唆されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30002296/
Shipley T. Effects of High Frequency Acceleration Device on Aligner Treatment-A Pilot Study. Dent. J. 2018, 6(3), 32.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30397398/
Judex S, Pongkitwitoon S. Differential Efficacy of 2 Vibrating Orthodontic Devices to Alter the Cellular Response in Osteoblasts, Fibroblasts, and Osteoclasts. Dose Response. 2018;16(3):1559325818792112. Published 2018 Aug 16. doi:10.1177/1559325818792112
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31497574/
Shipley T, Farouk K, El-Bialy T. Effect of high-frequency vibration on orthodontic tooth movement and bone density. J Orthodont Sci 2019;8:15.
これらの研究結果は効果の可能性であり、全ての患者さまに当てはまるとは限りません。
ですが治療期間をできるだけ短くしたいとお考えの患者さまには利用を試みる意味があるものだと考えます。
こちらの著書は加速矯正について詳しくまとめています。
https://www.shien.co.jp/act/d.do?id=8009
ご使用上の注意点
歯科矯正治療用の高周波振動発生装置は、日本国内では医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)での認定さされておりません。必ず歯科医師の裁量のもとでの使用を皆様にお願いしたします。
また医薬品副作用被害救済制度の対象外の場合もあります。ご注意ください。