2021.11.19
口ゴボ、口唇閉鎖不全、歯槽性の上下顎前突等の治療例
みなさまこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 総院長の林一夫です。
今回もいわゆる口ゴボ症例の治療例をご紹介いたします。
当クリニックのコラムでは口ゴボ以外の症例も数多くご紹介しております。
でも、やはり患者さまからのお問い合わせやカウンセリングでは口ゴボ治療に関するご質問がとても多いです。
それだけお悩みになっている方が多いということでしょう。
ですので、随時口ゴボに関しては紹介させていただきたいと考えています。
※こちらの記事は今回の患者様の事例です。
口が閉じにくく「梅干状の隆起」がある典型的な口ゴボ
24歳の女性です。口元の突出感の改善をご希望され来院されました。
口が閉じにくいいわゆる口唇閉鎖不全の症状も訴えていいらっしゃいました。
まずは初診時の正面と横顔の写真です。
正面の顔写真では口元が出た感じがとても強く、オトガイ部にも梅干し状の隆起が認められます。
横顔の写真では上下の唇が突出し、いわゆる口ゴボの状態なのですがその程度は重度です。
また下顎骨の後退感が強くより口元が突出した感じが強調されています。
歯と骨が唇側(前方)に大きく突出しているのが口ゴボの主な原因
次に示しますのは初診時のお口の中の写真です。
上下の前歯が前項に傾き、また唇側に大きく突出していることがお分かりいただけると思います。
この状態を歯槽性の上下顎前突といいます。
歯と骨が唇側(前方)に大きく突出している状態で、口ゴボの主な原因となっています。
患者様のご希望で可能な限り上下の前歯を後退させ、口元の改善を行いたいとのことでしたので、上下顎の第一小臼歯という歯を抜く(抜歯)ことにし、インプラントアンカーを用いて積極的に前歯を後退させるという治療計画を立てました。
また上下顎ともに裏側矯正での治療を行いました。
患者様へのご説明、治療プランの決定
無料カウンセリングから診断を経て、患者様には丁寧にご説明をしていき、ご納得を頂けました。
こちらのご説明内容はとても重要な情報ですのでいつも掲載しています。お読みの方はぜひチェックしておいてください。
- 診断:上下顎狭窄歯列弓、上下顎前歯の唇側傾斜、上下顎中等度の叢生
- 治療法:上下顎両側第一小臼歯の抜歯、上下顎裏側矯正装置による矯正治療
- 治療期間:2年
- リスク:前歯部の歯根吸収、前歯部のブラックトライアングル、装置による口内炎
- 副作用:治療中の発音への影響、治療後の抜歯空隙の後戻り
- 治療費:121万円(税込み:精密検査別/2021年11月現在の金額です)
治療期間は2年でした
- 抜歯とその後の凸凹の改善:4ヶ月
- 抜歯したスペースの閉鎖:14ヶ月
- 最終的な咬み合せと配列の調整:6ヶ月
口ゴボ、梅干状の隆起も解消されました
治療終了時のお顔と口の中の写真です。
まずは正面のお顔の写真です。
口元が“もこっと”突き出ていた感じ(口ゴボ)がかなり改善されています。
梅干し状の隆起がほぼ解消され、正常に近いオトガイ形態に回復していることもお分かりいただけると思います。
また横顔の写真でも口元の突出感がしっかりと改善されていることが良くお分かりになると思います。
ご本人も口が閉じやすくなったと実感されていいました。
もともとの上下顎前突の状態が重度であったので、完璧なイーラインとまではいきませんでしたがご納得いただけるまでの改善は行えたと思います。
治療後のお口の中の写真です。
上下顎前歯の唇側傾斜が改善され、歯並びかみ合わせともに整っていることがお分かりいただけると思います。
初診時には糸切り歯あたりに上下の隙間がったのですが、こちらもしっかりと改善され咬合機能の回復も行うことが出来たと思います。
患者さまのためにコミュニケーションを大切にしています
口ゴボの症状も多種多様であり、いろいろな症状が複合された状態の場合がほとんどです。
通常の矯正治療のみで改善できない重度の症状もありますので、しっかりと患者様とコミュニケーションを図り、お互いに同意した共通の治療目標を明確に設定し、治療を進めることがとても大切です。
当院で行っておりますデジタル矯正は、術後の目標を3Dモデルで“見える化”でき、患者様と担当医間での認識のズレを可能な限り小さくすることが可能です。
患者様の“こんなはずじゃなかった”というご指摘がないような、終始スムーズな臨床を行うことがとても大切だと考えています。
当院はほとんどすべての治療法に精通した矯正歯科医が治療を行っている矯正治療専門クリニックですので、ぜひカウンセリングにお越しいただき、どんなことでもご相談いただければと思います。